石澤 眞知子 石澤 眞知子

オール電化で必殺!光熱費の削減方法

公開日:2025/12/15(月) 更新日:2025/12/05(金) 家づくりのこと

オール電化で必殺!光熱費の削減方法

── 高性能住宅の力を最大限に引き出す暮らしの知恵

はじめに:電気代高騰のいま、問われる「エネルギー設計」

近年、電気代やガス代の高騰が暮らしに大きな影響を与えています。
そんな中、「オール電化」という選択肢が再び注目されています。

とはいえ、「オール電化にしたら電気代が高くつくのでは?」という声も少なくありません。
確かに、設計の仕方や暮らし方によっては、電気代が高くなるリスクもあります

そこで今回は、**オール電化を味方にするための“光熱費の必殺節約術”**を、
高気密・高断熱住宅を前提とした視点から、5つの柱でご紹介します。


断熱と気密が“節約の土台”。まずはここを徹底

どんなに省エネ家電を使っても、家自体の性能が低ければエネルギーは逃げてしまいます

  • 熱が逃げにくい断熱材(断熱等級6~7レベル)

  • 樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラスの窓

  • C値=0.5以下の高気密施工

こうした高性能な家でこそ、オール電化は真価を発揮します。
少ないエネルギーで冷暖房が効き、家中が快適。
エアコンの稼働時間も少なくて済むため、電気代も自然と抑えられます。

つまり、“光熱費の削減”は建物の性能ありきというのが大前提です。


エコキュートは「深夜電力×高効率」がお得のカギ

オール電化の大きなポイントが給湯=エコキュートです。
深夜電力を使って効率的にお湯を沸かし、昼間に使うことで大きな節約効果が得られます。
現在の関西電力の電力量料金
デイタイム(夏季)28.87円、デイタイム(その他の季節)26.24円、リビングタイム22.8円、ナイトタイム(夜間)15.37円
ナイトタイムの価格は、以前ほど安くはないですが、お昼より約10円ほど安いです。

 

エコキュートを光熱費削減に活かすポイント

  • **深夜電力契約(電化上手・スマートライフプランなど)**を活用する

  • **省エネ型の高効率タイプ年間給湯効率4.0以上)**を選ぶ

  • 家族構成に応じてタンク容量を最適化(無駄な貯湯はNG)

  • お湯の使用量をアプリで“見える化”して習慣改善へ

特に断熱性の高い浴室・洗面室と組み合わせることで、お湯の熱損失が抑えられます。


電気料金プランを味方につける

意外と知られていませんが、電気料金プランの選び方ひとつで大きな差が出ます
特にオール電化では、「深夜電力」の単価が安いプランを選ぶことで効果倍増。

✅ プラン選定のコツ

  • 昼間の使用量が少ない家庭 → 時間帯別料金プラン(スマートライフS)

  • 日中在宅が多い家庭 → 定額プラン+太陽光併用

  • 使っていない深夜時間に洗濯・食洗器・お湯の沸き上げを集中

さらに最近は、「再エネ賦課金」などの固定費も見直し対象
複数の電力会社を比較することで、年間1〜2万円単位の削減ができる場合もあります。


家電選びと“使い方”にもテクニックを

電気を使うのは家電です。
家電選び+使い方の工夫で、さらに光熱費は減らせます。

冷暖房:

  • 高性能住宅では、小型エアコンで十分暖まる/冷える

  • エアコンはこまめに切らず、温度差を減らすのがコツ

  • サーキュレーターを併用して空気を循環させると効率UP

◎ 照明:

  • LED照明は必須(白熱灯は今すぐ撤去)

  • 特に夜間使用の多いリビング・ダイニングの照明を調光型に

  • 間接照明で少ない灯りでも十分な明るさを演出

◎ その他:

  • 食洗機・乾燥機は深夜に稼働(タイマー設定推奨)

  • こまめなフィルター掃除で家電の効率を保つ

  • 玄関照明やトイレ照明に人感センサーを活用する


太陽光+蓄電池の併用で「自給率UP」

「電気を買う」だけでなく、「つくって・ためて・使う」という自立型の発想が重要です。

  • 太陽光パネル:昼間に発電 → 昼の使用電力をまかなう

  • 蓄電池:昼間の余剰電力をためて、夜に使用

  • HEMSと連動させて、使う電力を“見える化”して意識を変える

これにより、電力会社に頼らない“暮らしの防衛力”がアップします。
停電時のバックアップにもなるため、防災性能も向上します。


おわりに:「光熱費の少ない暮らし」は“性能 × 習慣”でつくれる

オール電化の光熱費削減は、「設備の力」と「暮らし方の工夫」の掛け合わせで最大化します。

  • 高断熱・高気密で“逃げない家”にする

  • エコキュートと深夜電力を正しく使う

  • 電力契約や家電の使い方を見直す

  • 太陽光+蓄電池で“つくって使う”自立型

  • 家族みんなで“省エネの意識”をシェアする

これらを丁寧に整えていくことで、
**「オール電化なのに、電気代が少ない!」**という暮らしは実現可能です。

そして、何より大切なのは、家づくりの段階で“エネルギー設計”まで考えること
タテルナラでは、設計士と現場監督が一体となり、**性能・設備・暮らし方まで含めた“トータル設計”**をご提案しています。

ぜひ、オール電化をうまく使って、快適で経済的な暮らしを手に入れてください。