オール電化で必殺!光熱費の削減方法
── 高性能住宅の力を最大限に引き出す暮らしの知恵
はじめに:電気代高騰のいま、問われる「エネルギー設計」
近年、電気代やガス代の高騰が暮らしに大きな影響を与えています。
そんな中、「オール電化」という選択肢が再び注目されています。
とはいえ、「オール電化にしたら電気代が高くつくのでは?」という声も少なくありません。
確かに、設計の仕方や暮らし方によっては、電気代が高くなるリスクもあります。
そこで今回は、**オール電化を味方にするための“光熱費の必殺節約術”**を、
高気密・高断熱住宅を前提とした視点から、5つの柱でご紹介します。
① 断熱と気密が“節約の土台”。まずはここを徹底
どんなに省エネ家電を使っても、家自体の性能が低ければエネルギーは逃げてしまいます。
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熱が逃げにくい断熱材(断熱等級6~7レベル)
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樹脂サッシ+Low-Eトリプルガラスの窓
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C値=0.5以下の高気密施工
こうした高性能な家でこそ、オール電化は真価を発揮します。
少ないエネルギーで冷暖房が効き、家中が快適。
エアコンの稼働時間も少なくて済むため、電気代も自然と抑えられます。
つまり、“光熱費の削減”は建物の性能ありきというのが大前提です。
② エコキュートは「深夜電力×高効率」がお得のカギ
オール電化の大きなポイントが給湯=エコキュートです。
深夜電力を使って効率的にお湯を沸かし、昼間に使うことで大きな節約効果が得られます。
現在の関西電力の電力量料金
デイタイム(夏季)28.87円、デイタイム(その他の季節)26.24円、リビングタイム22.8円、ナイトタイム(夜間)15.37円
ナイトタイムの価格は、以前ほど安くはないですが、お昼より約10円ほど安いです。
✅ エコキュートを光熱費削減に活かすポイント
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**深夜電力契約(電化上手・スマートライフプランなど)**を活用する
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**省エネ型の高効率タイプ(年間給湯効率4.0以上)**を選ぶ
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家族構成に応じてタンク容量を最適化(無駄な貯湯はNG)
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お湯の使用量をアプリで“見える化”して習慣改善へ
特に断熱性の高い浴室・洗面室と組み合わせることで、お湯の熱損失が抑えられます。
③ 電気料金プランを味方につける
意外と知られていませんが、電気料金プランの選び方ひとつで大きな差が出ます。
特にオール電化では、「深夜電力」の単価が安いプランを選ぶことで効果倍増。
✅ プラン選定のコツ
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昼間の使用量が少ない家庭 → 時間帯別料金プラン(スマートライフS)
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日中在宅が多い家庭 → 定額プラン+太陽光併用
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使っていない深夜時間に洗濯・食洗器・お湯の沸き上げを集中
さらに最近は、「再エネ賦課金」などの固定費も見直し対象。
複数の電力会社を比較することで、年間1〜2万円単位の削減ができる場合もあります。
④ 家電選びと“使い方”にもテクニックを
電気を使うのは家電です。
家電選び+使い方の工夫で、さらに光熱費は減らせます。
◎ 冷暖房:
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高性能住宅では、小型エアコンで十分暖まる/冷える
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エアコンはこまめに切らず、温度差を減らすのがコツ
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サーキュレーターを併用して空気を循環させると効率UP
◎ 照明:
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LED照明は必須(白熱灯は今すぐ撤去)
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特に夜間使用の多いリビング・ダイニングの照明を調光型に
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間接照明で少ない灯りでも十分な明るさを演出
◎ その他:
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食洗機・乾燥機は深夜に稼働(タイマー設定推奨)
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こまめなフィルター掃除で家電の効率を保つ
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玄関照明やトイレ照明に人感センサーを活用する
⑤ 太陽光+蓄電池の併用で「自給率UP」
「電気を買う」だけでなく、「つくって・ためて・使う」という自立型の発想が重要です。
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太陽光パネル:昼間に発電 → 昼の使用電力をまかなう
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蓄電池:昼間の余剰電力をためて、夜に使用
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HEMSと連動させて、使う電力を“見える化”して意識を変える
これにより、電力会社に頼らない“暮らしの防衛力”がアップします。
停電時のバックアップにもなるため、防災性能も向上します。
おわりに:「光熱費の少ない暮らし」は“性能 × 習慣”でつくれる
オール電化の光熱費削減は、「設備の力」と「暮らし方の工夫」の掛け合わせで最大化します。
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高断熱・高気密で“逃げない家”にする
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エコキュートと深夜電力を正しく使う
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電力契約や家電の使い方を見直す
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太陽光+蓄電池で“つくって使う”自立型に
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家族みんなで“省エネの意識”をシェアする
これらを丁寧に整えていくことで、
**「オール電化なのに、電気代が少ない!」**という暮らしは実現可能です。
そして、何より大切なのは、家づくりの段階で“エネルギー設計”まで考えること。
タテルナラでは、設計士と現場監督が一体となり、**性能・設備・暮らし方まで含めた“トータル設計”**をご提案しています。
ぜひ、オール電化をうまく使って、快適で経済的な暮らしを手に入れてください。