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「“ちゃんと建てた”証拠。C値0.25という答え」

公開日:2025/12/26(金) 更新日:2025/12/26(金) 家づくりのこと

「気密」は数字以上に、暮らしを左右する

― C値0.25という結果から、現場監督が思うこと ―

先日、ある現場で気密測定を行いました。
測定方法は減圧法。
結果は C値 約0.25(四捨五入で0.3)

数字だけを見ると、
「すごいですね」
「高性能ですね」
と言われることが多い数値です。

でも、現場監督としてこの結果を見たときにまず感じるのは、
誇らしさよりも 安心感 です。

「ちゃんと積み重ねてきたことが、正直に数字に出たな」
そんな気持ちのほうが近いかもしれません。


そもそも「気密」とは何なのか

家づくりの中で「高気密」という言葉はよく使われますが、
実はきちんと理解されていないことも多い項目です。

気密とは簡単に言えば、
家にどれくらい“すき間”があるか を示す性能。

その指標が C値 です。
C値は、家全体のすき間を集めた面積を、床面積で割った数値。
数字が小さいほど、すき間が少ない家ということになります。

今回の C値0.25 という数値は、
延床約170㎡の建物全体のすき間を全部集めても、
名刺1枚分より少ないレベルです。


気密が悪い家で起こること

「断熱をしっかりしているから大丈夫」
そう思われる方も多いのですが、
断熱と気密は必ずセット で考えなければいけません。

気密が不十分な家では、

・壁の中で冷たい空気が動く
・床付近がいつまでも寒い
・エアコンが効きにくい
・換気が計画通りに動かない
・壁内結露が起こりやすい

といった問題が起こります。

特に冬、
「暖房をつけているのに足元が寒い」
という家は、断熱不足というより 気密不足 が原因であることが多いです。


C値0.25が意味する“体感”

では、C値0.25の家に住むとどうなるのか。

現場監督として、これまで何軒も見てきた感覚で言うと、

・エアコンをつけると、すっと温度が整う
・部屋ごとの温度差が少ない
・廊下やトイレでも寒さを感じにくい
・風を感じないのに空気はこもらない

こうした 静かな快適さ があります。

「暑くない」「寒くない」というより、
「気にならない」
この感覚が、高気密住宅の一番の価値だと思っています。


この数値は“測定日だけ”では作れない

正直に言うと、
気密は測定当日に頑張っても、良い数値は出ません。

・気密シートの張り方
・シートの重ねしろ
・タッカー穴の処理
・配線・配管の貫通部
・床、壁、天井の取り合い

こうした一つひとつの工程が、
現場でどれだけ丁寧に積み重ねられてきたか。

その 答え合わせ が、気密測定です。

今回の数値を見て、
「ああ、現場での判断は間違ってなかった」
「職人さんたちの意識がちゃんと揃っていた」
と、胸をなでおろしました。


気密は「現場のチームワーク」で決まる

気密施工は、誰か一人が頑張ればいいものではありません。

大工さん
電気屋さん
設備屋さん
板金屋さん
内装屋さん

それぞれが
「この穴はどう塞ぐか」
「この納まりで気密は切れないか」
と考えながら仕事をしてくれる。

その空気感がある現場ほど、
結果は自然と良くなります。

現場監督としてできることは、
細かく指示を出すことよりも、
“気密を大切にする文化”を現場につくること だと感じています。


数字はゴールではなく、スタート

C値0.25という数字は、
決してゴールではありません。

この性能があって初めて、

・断熱性能がきちんと発揮される
・換気計画が意味を持つ
・少ないエネルギーで快適に暮らせる
・家が長持ちする

という「暮らし」がスタートします。

数字だけを競うための気密ではなく、
暮らしを支えるための気密

それを忘れないようにしたいと思っています。


完成後には、もう測れない性能

気密は、完成してからでは改善できません。
壁を塞ぎ、仕上げが終わってしまえば、
やり直すことはほぼ不可能です。

だからこそ、
工事中の“何でもない日”の積み重ねが大切になります。

・一か所、テープを貼り足す
・一度、やり直す
・少しでも怪しければ確認する

そうした地味な作業が、
10年後、20年後の快適さにつながっていきます。


現場監督として思うこと

気密測定の機械の前で、
表示された数値を静かに見る時間。

この瞬間は、
現場監督にとって特別な時間です。

誰に見せるわけでもなく、
派手な演出もなく、
ただ「ちゃんとした家になっているか」を確認する。

今回の C値0.25 という結果は、
この家が“静かに、正直に、長く快適である”
その可能性をしっかり持っている証だと思っています。


まとめ

・気密は暮らしの快適さを左右する重要な性能
・C値0.25は、一般的な高性能住宅の中でも良好な数値
・断熱、換気、耐久性すべての土台になる
・現場の積み重ねが正直に数字に表れる
・完成後には見えないが、最も大切な部分

これからも、
目に見えないところほど丁寧に。
そんな家づくりを、現場から続けていきたいと思います。


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TATERUNARAの高性能住宅 工事の一例

気密測定は、建物の気密性を評価するプロセスです。建物内外の気圧差を利用し、空気漏れる量を測定し数値化します。正確な気密性はエネルギー効率を向上させ、断熱効果を最適化します。また、結露やカビの発生を防ぎ、快適な居住環境を提供し耐久性と快適性を保ち、エネルギー費用を削減します。

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外部に抜けるダクト配管まわりはドームパッキンでしっかり気密をとり、さらに壁の気密シートに気密テープで止める

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コンセントはバリアBOXの中に入れ、BOXと気密シートをしっかりとめる。これで、コンセント自体は部屋内側になる


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