石澤 眞知子 石澤 眞知子

地球沸騰時代に「後悔しない家の建て方」

公開日:2025/06/22(日) 更新日:2025/06/21(土) 家づくりのこと

地球がどんどん熱くなっている今、「後悔しない家の建て方」とは?

こんにちは、タテルナラの」石澤です。
近年、夏の暑さが異常です。現場でも「猛暑日」「熱中症」「冷房の効きが悪い」といった話題が増え、お客様からも「これから家を建てるなら、どうしたら快適に暮らせるのか?」というご相談が増えています。

このブログでは、気候変動が進む中で「これから家を建てる方」に向けて、後悔しない家づくりの視点を、現場の目線からわかりやすく解説していきます。


1. 高断熱・高気密は「贅沢」ではなく「暮らしの土台」

昔は「高断熱・高気密=寒い地域の家」や「こだわり派の家づくり」というイメージもありましたが、いまや完全に常識が変わりました。

地球の平均気温は、年々上昇しています。夏の外気温が35℃を超えるのが当たり前になってきた日本では、「熱を入れない」「中の涼しさを逃さない」ことが基本性能として求められます。

▼注目すべき性能

  • 断熱等級6〜7(HEAT20 G2〜G3)(タテルナラでは、断熱等級6以上を標準とする)

  • C値1.0以下の高気密性能(タテルナラでは0.5以下を標準とする)

  • 窓の断熱対策(トリプルガラス・樹脂サッシなど、断熱ガラス、日射取得ガラスの使い分け)

これらの性能がある家は、外気の影響を受けにくく、夏も冬も室温が安定します。結果としてエアコンの効きもよく、電気代が抑えられ、快適さと省エネが両立するのです。


2. 自然の力を活かす「パッシブデザイン」の重要性

高性能な断熱材やサッシだけではなく、「太陽の動き」「風の流れ」といった自然の力を活かした設計も、これからの家づくりには欠かせません。

▼パッシブデザインの工夫

  • 南面の窓で冬の日差しをしっかり取り込む。この場合は日射取得ガラスを誓います。

  • 夏至と冬至の太陽の角度を理解して庇を設け、夏は日射を遮り、冬は日射を取り込む工夫をします。

  • 南北の風通しを考慮して窓配置を設計

  • 断熱性の高い外皮と内部の熱移動を意識したゾーニング

自然の力をコントロールする設計は、設備に頼りすぎない“やさしい暮らし”を実現してくれます。実際にパッシブ設計を取り入れたお宅では、「エアコンの使用時間が半分になった」という声もあります。


3. 太陽光発電と蓄電池は「災害時の安心」にもつながる

電気料金の高騰、地震や台風による停電リスク…。そんな背景から、太陽光発電と蓄電池の導入を検討する方が増えています。

太陽光は「売電で元を取る」時代から、「自家消費で家計と命を守る」時代へとシフトしました。特に猛暑の中での停電は、命に関わります。
だからこそ、日中の発電+夜間の蓄電=電気の自給自足ができる暮らしは、これからの安心材料になります。

▼検討したいシステム

  • 太陽光発電+蓄電池

  • 電気自動車との連携(V2H)

  • HEMS(エネルギー管理システム)による最適運用


4. 気候災害から家族を守る「耐震+耐水」性能

気温だけでなく、台風・集中豪雨・地震といった自然災害も深刻化しています。今後の住宅には、災害時の避難所としての強さも求められます。

▼命と暮らしを守る性能

  • 耐震等級3(最高等級)

  • 浸水リスクを見越した敷地計画 

  • 非常時の水・食料・電源の備え

また、災害に備えるだけでなく「災害後も暮らせること」が大切です。長期優良住宅の基準やレジリエンス性能を意識して、家そのものが“安心の基地”になるような設計を心がけましょう。


5. 暮らしの変化に柔軟に対応できる間取り

猛暑・大雨・停電…だけではありません。
在宅勤務や介護、子育て環境の変化など、「暮らしそのもの」がこれからさらに多様化していきます。

そんな中、住まいの可変性・汎用性が問われています。

これからを見据えた間取りの工夫

  • 在宅ワークや子どもの勉強に使える小さな書斎スペース

  • 空調や換気計画をふまえた“涼しい居場所”の設計 (気密が高い家には、第一種換気が必須)

  • 気密、断熱性能が高い家は、プライベートルーム以外は、なるべく仕切らない

  • バリアフリーを意識したトイレ・浴室・寝室の配置

「家は一生に一度の買い物」といわれますが、未来の暮らし方まで見越しておくことで、家の価値はもっと長く、深くなっていきます。


未来を見据えた「後悔しない家づくり」へ

最後に、これから家を建てるうえで押さえておきたい5つの視点をもう一度まとめます。

視点 内容
① 高断熱・高気密 暑さ・寒さに強く、エネルギーを節約できる家
② パッシブ設計 自然の力で快適をつくる家
③ 太陽光・蓄電 災害時の備えとエネルギー自給
④ 耐震・耐水設計 命と暮らしを守る堅牢な家
⑤ ライフスタイルの変化対応 長く快適に住み続けられる間取り

気候が激しく変わる時代だからこそ、家の“性能”と“設計力”が何よりも重要です。

私たちは、「いま快適」だけでなく、「10年後、20年後も後悔しない家づくり」を大切にしています。
ぜひ一緒に、未来の安心と快適を見据えた住まいを考えてみませんか?