注文住宅の結露対策について
注文住宅を建てる際には、結露対策をしっかり行うことが重要です。結露は室内外の温度差や湿度が原因で発生し、放置するとカビやダニの発生、建材の劣化につながります。ここでは、注文住宅でできる効果的な結露対策についてご紹介します。
1. 高気密・高断熱設計
結露を防ぐ基本は、高気密・高断熱の住宅設計です。外気温の影響を受けにくくすることで、室内温度を一定に保ち、結露の発生を抑えます。
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断熱材の選定: グラスウールやウレタンフォームなど、断熱性の高い素材を使用する。
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サッシと窓ガラスの工夫: 樹脂製サッシや複層ガラス(ペアガラス、トリプルガラス)を採用し、断熱性能を高める。
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気密性の確保: 隙間風を防ぐために、気密テープやシーリング材で施工精度を高める。新築時は、給排水管、電気の配線等の通り道として、壁面、床面等に穴を開けて通しますが、配管、配線を通した後始末を完璧にするとこで、気密が保たれます。
2. 換気システムの導入
室内の湿度を調整し、適切に空気を循環させることで結露を防ぎます。
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24時間換気システム: 常に空気の流れを作り出し、湿気を外に逃がす。
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換気経路の確保: キッチンや浴室など湿気が発生しやすい場所は、局所換気扇を設置して効率よく排湿する。
- 換気システムの種類:一般的には、第3種システム換気と第1種システムがあります。第3種システムは、外気温をそのまま取り入れる為、室温の温熱効果が妨げられます。第1種換気は、排気の時には温度を捨てずに、汚れた空気だけを捨て、給気時には外気温の冷たい空気に暖かい空気を混ぜて新鮮空気を送り込みます。そのため室温の温熱効果を妨げることもなく省エネで過ごせます。
3. 室内環境の管理
結露を防ぐためには、生活習慣や設備の工夫も重要です。
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室温と湿度の管理: 冬場は加湿器を使いすぎないようにし、湿度を40~60%に保つ。
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家具の配置: 壁に密着させず、通気性を確保する。
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除湿機の利用: 梅雨時期など湿度が高い場合は、除湿機で湿気をコントロール。
- 冬場の暖房器具:暖房器具として、なるべく水蒸気を発生させないものを使用する。ガスストーブや石油ストーブ等は物を燃やす時に水蒸気を発生させるので、好ましくない。
4. 内装材の工夫
内装材にも湿気を調整する効果があるものを取り入れると、結露防止に役立ちます。
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調湿機能のある壁材: 珪藻土や漆喰を使うことで、湿度を自然に調整。和紙クロスなども調湿効果があり、呼吸する壁を作ることが出来る。
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床材の選択: 無垢材のフローリングは湿気を吸放出する特性があり、快適な室内環境を保つ。
5. 建築時の施工精度の確認
結露対策には施工精度の高さも欠かせません。
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断熱材の施工チェック: 隙間なく断熱材が施工されているか確認。
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気密テストの実施: 実際に気密性を測定し、問題があれば補修。
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防湿シートの施工: 壁内部に湿気が入り込まないよう、シートの設置を徹底する。シートには、防湿気密シートと調湿気密シートがあり防湿気密シートは一切壁の中に湿気を入れないものであり、シートの施工精度が問われるものである。調湿気密シートは、壁の中を湿気がとおり外壁側の通気層まで行って抜ける仕組みです。シート、ボード、断熱材全てが湿気を通す素材で構成されています。
- タテルナラでは、内壁にはウルトの調湿気密シートを使用し、湿気を通気層で抜く仕組みなので、壁内結露の心配はありません。シートの施工は、手慣れた職人が細心の注意を払い正しく施工しております。完成してからでは見えない手作業の施工がとても大切だと考えています。
まとめ
注文住宅における結露対策は、高気密・高断熱設計と換気システムの導入、適切な室内環境の管理が鍵となります。また、調湿性の高い内装材や施工精度にも注意を払うことで、長く快適に暮らせる住まいを実現できます。これらのポイントを押さえた家づくりを検討し、健康で快適な生活空間を目指しましょう。