石澤 眞知子 石澤 眞知子

土佐和紙壁紙の特徴

公開日:2026/02/18(水) 更新日:2026/02/17(火) 家づくりのこと

高気密住宅だからこそ自然素材を重視

― タテルナラがノンビニールクロスにこだわる理由 ―

タテルナラでは、内装の壁仕上げに「和紙クロス」を採用することがとても多くあります。

初めて来られるお客様からは、よくこう言われます。
「ビニールクロスの方が普通じゃないんですか?」
確かに、日本の住宅の9割以上はビニールクロスです。
施工が早く、安価で、見た目もきれい。住宅業界では“当たり前”の材料です。

しかし私たちは、あえて使いません。
それが、タテルナラの掲げている

「ノンビニールクロス宣言」

です。

理由は単純です。
高気密・高断熱住宅とビニールクロスは、実は相性が良くないからです。


高気密住宅は「空気の質」が暮らしを左右する

タテルナラの家は、C値0.5以下(多くは0.2台)という非常に高い気密性能を持っています。
これは「すき間がほとんど無い家」という意味です。

昔の家は、良くも悪くもスカスカでした。
壁や天井、床の隙間から常に空気が出入りしていたため、室内の化学物質は自然に外へ逃げていました。

ところが高気密住宅は違います。

空気は“計画換気”以外ではほぼ動きません。

つまり、室内で発生したものは室内に留まり続けます。

ここで問題になるのが、ビニールクロスです。


ビニールクロスが持つ見えないリスク

ビニールクロスは塩化ビニル樹脂で出来ています。
そして柔らかくするために「可塑剤」が含まれています。

この可塑剤や接着剤に含まれる化学物質は、施工後しばらくの間(5年から10年以上)、微量ながら空気中に放散されます。
低気密住宅では大きな問題になりにくかったのですが、高気密住宅では話が変わります。

空気が逃げないからです。

・頭痛がする
・喉がイガイガする
・目が乾く
・子どもの咳が続く

こうした、いわゆるシックハウス症候群の原因の一つが内装材です。

タテルナラは「性能の数値」だけを追いかける会社ではありません。
健康に暮らせる家を目指しています。

だからこそ、壁材を自然素材にしています。


和紙クロスは“紙”ではなく、機能性建材

「和紙」と聞くと、破れやすい・汚れやすいイメージを持たれる方が多いのですが、実際の和紙クロスは全く違います。

和紙は、楮(こうぞ)・三椏(みつまた)などの植物繊維から作られます。
繊維が長く絡み合うため、非常に丈夫です。障子紙よりはるかに強い材料です。

さらに、和紙にはビニールクロスには無い“性能”があります。


① 調湿効果 ― 家が呼吸する

和紙は木と同じく呼吸しています。

湿度が高いと水分を吸収し、乾燥すると放出します。
つまり、室内の湿度を自然に調整してくれます。

・夏はジメジメしにくい
・冬は乾燥しすぎない

特に高気密住宅では湿度管理が重要です。
エアコンだけではどうしても乾燥しがちですが、和紙の壁はそれをやわらげてくれます。

「冬、朝起きた時の喉の乾燥が違う」
これは実際に住まわれているOB様からよく聞く感想です。


② 調光効果 ― 光がやわらかくなる

和紙の最大の魅力は、私はここだと思っています。

和紙の繊維は光を乱反射させます。
そのため、照明の光が柔らかく広がります。

ビニールクロスの部屋は、光が“当たる”感じ。
和紙の部屋は、光が“包む”感じ。

間接照明や障子との相性が抜群に良く、夜の雰囲気がまるで違います。
同じ照明計画でも、空間の質がワンランク上がります。


③ 吸音効果 ― 音が静かになる

和紙の表面は繊維の凹凸で出来ています。
この凹凸が音を反射せず、分散させます。

その結果、
・音が響きにくい
・テレビの音量を下げられる
・会話が聞き取りやすい

高断熱住宅は外の音を遮断する性能が高いため、逆に室内の反響音が気になることがあります。
和紙はその弱点を自然に解消してくれます。


④ 有害物質がほぼゼロ

和紙は植物繊維が原料です。
燃やしても有毒ガスが出ません。

つまり、空気を汚さない壁材です。

高性能住宅の本当の目的は「暖かい家」ではありません。
健康に暮らせる家です。

ここがタテルナラの家づくりの根本です。


⑤ 経年美化 ― 時間とともに良くなる壁

ビニールクロスは、貼った直後が一番きれいです。
時間が経つと黄ばみ、継ぎ目が開き、剥がれていきます。

一方、和紙は逆です。

年月が経つほど風合いが増します。
光の当たり方によって表情が変わり、味わいが出てきます。

これは吉野杉の床や無垢材と同じです。

私たちは「経年劣化する家」ではなく
経年美化する家をつくりたいと考えています。


高性能住宅の本質

断熱等級6以上、気密性能、換気計画。
もちろん大切です。

しかし、それは「器」にすぎません。

その器の中の空気を決めるのが、内装材です。

・何で仕上げるか
・何に囲まれて暮らすか

ここを間違えると、高性能住宅はただの“箱”になります。

タテルナラが和紙クロスを採用するのは、
見た目のデザインのためではありません。

住んだあと、体が喜ぶ家にするため。

これが、ノンビニールクロス宣言の本当の理由です。

モデルハウスに来られた方が、
「なんか空気が違う」と言われることがあります。

それは断熱材の違いではありません。
壁の素材の違いです。

自然素材には、大きな力があります。

 
 

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